大学院の科目履修、という選択


先週、英語教育を中心に学び直した大学生活が終わりました!

入学するなりコロナの影響で、取りたかった授業は取れなかったりしましたが、気づきや学びの多いとても充実した経験となりました。でも、やはり、取りたかった授業が取れなかったのは心残りです。

大学に入って気づいたのですが、いくつかのクラスには、大学院生が授業を一緒に受けていました。最初、どういうことなんだろう?と分からなかったのですが、大学院生が、学部の授業を、「科目履修」しているんですね。なるほど、そんなことができるのか!

そこで、私の学びたい授業を行っているいろいろな大学の科目履修をサーチ。ただ、調べ始めるのが遅くて、学部の科目履修は、ほとんどが出願期間を過ぎています。一方、大学院ならまだ間に合うところもあるようなので、いくつか調べてみました。時々、社会人の方から、「私も大学に行きたい」というメッセージをいただきますので、院の科目履修についてわかったことを書いておきます。よろしければ参考にしてください。

<科目履修と聴講生の違い>

科目履修は、普通の授業のように試験を受けたり課題をこなすことで、単位がもらえます。聴講生は、単位認定はありません。ただ、最近、この聴講生という制度はだんだん無くなってきているようです。また、科目履修は、「翌年度以降に、当大学院に入学を予定しているものに限る」というところもありました。

<受講可能科目>

大学院によって異なります。概ね、ゼミ(演習)と言われるものは正規生対象なので、取れなさそうです。一年前の募集概要などを見て、どういった科目が科目履修で取れるのか確認しておくと良いです。(ただ、次年度も開講されるとは限りません。) 院の場合、自分の興味のある研究分野で、この先生から学びたい!というのがあると思いますが、私はそれで2回、残念な思いをしています。2回とも、たまたま近所の大学だったのですが、最初は、学生時代にずっと聴いていたNHKラジオ英会話の大杉正明先生が教えていらっしゃったので、科目履修しようとしたところ、その年にご退任。何年度か後に、ライティング教育についての大井恭子先生の研究に興味があったので、大学院に問い合わせたところ、またまた、「今期でご退任です。」と言われてしまいました。大学は、先生がいらっしゃらなくなると、その科目自体も無くなる可能性がありますので、はやめに大学や院にコンタクトを取っておくことをお勧めします。

<選考試験>

調べた全ての大学院で、選考試験はあります!ただ、入試データを見ると、院入試は、不合格になる方もいらっしゃるようですが、科目履修については、受験者数と合格者数に差があるところはありませんでした。ですので、書類をそろえて、試験を受ければ受かるのかも・・・?

ただ、科目によっては、出願基準がある場合があります。たとえば、私が、一つどうしても取りたいと思っている科目が、ある大学院の後期に開講されているのですが、そこは、出願資格に、TOEFLか、IELTSで一定の点数が必要になります。不思議なのは、正規学生は、出願資格のTOEFL、IELTSに加えて、英検1級も許容されるのですが、科目履修生は、前述の試験のいずれかでないといけません。残念ながら私は、すぐにはTOEFLもIELTSも受験できません。何故って、有効なパスポートが無いから!この二つの試験は、受験するのにパスポートが要るのです。(海外の大学の留学の時に受ける試験ですからね。) 仕方ないので、パスポートを取得することにしました。(でも、本籍の番地を忘れてしまって、それを知るために住民票からとらねばなりません。道のりは長いです・・・) この大学院の科目履修の試験は7月にありますので、急がねば!

<出願書類>

履歴書、大学の卒業証明書、成績証明書、受講希望理由書、健康診断書が一般的なようです。健康診断って、1科目、2科目履修するだけなのになんで?と思っていたのですが、ある大学院の要項に、理由が書いてありました。「結核の集団発生防止のため、胸部レントゲン撮影結果が確認できるもの」が必要だでそうです。また、受講希望理由書は、希望科目ごとに書かねばなりません。ちょっと面倒くさいなぁ・・・・

<費用>

まず、選考料ですが、調べた大学でいろいろでした。3,500円~30,000円。3,500円は、タイプミスか?と思いましたが、そうでもなさそうです。次に、科目履修料は、1科目(通常2単位)、30,000円~40,000円(半期)。それとは別に、科目履修性登録料なるものが30,000円程度。ただし、登録料は、その大学の卒業生は免除される場合もあるようです。

<授業時間>

社会人が多く取るような授業は、夜間に開講されている場合もあります。私が興味のある科目は、現役の学校の先生が取るものが多いため、夜間や土曜日が多いです。ですので、私の場合は、選択肢が減ります。また、正規生はオンライン可なのに、科目履修性は、対面のみ、という学校もありました。大学専用のシステムを科目履修生まで解放してくれない、ということなのかも知れませんね。

<大学の成績について>

海外の大学院では、大学の成績が悪いと出願できないところが多いです。(というか、そもそも、成績が悪いと学部の卒業ができません。)日本はどうなんだろう、と思い、科目履修の要項を調べるついでに院の正規生の要項も確認したのですが、GPA(大学の成績)の基準を設けているところは1つだけでした。つまり、大学の成績は、院入試には影響しない、ということですね。ちなみに、GPA基準を設けている大学院は、GPA 3.25以上(4点満点)が出願基準のようです。(甘いっ!!!) しかも、GPAの算出方法も、日本の学校は甘くて、各学年でいったんクリアされるですよね。海外だと恐らく、4年間を通してのGPAだと思いますが、日本の場合は、1年ごとにGPAが出て、最終の成績証明書は、多分、4年生の成績ではないかと思います。

<出願時期>

これも大学によって随分違いますので、注意が必要です。たとえば、ある大学院は、春学期の募集は1月に終わっています。別の大学院は、半期ごとの募集は行わず、後期だけ科目履修をしたいと思っている場合でも、3月に行われる試験を受けないといけません。また、あるところは、授業は4月から始まりますが、出願の受付や試験は、授業が始まってからです。要項にも、「授業は先に受けていただいて構いません。」とあります。これは、正規生が誰も登録しなかったために開講とならない授業は科目履修できないので、正規生の登録を待ってから判断する、ということなのだと思います。また、科目履修をしたい場合は、事前に担当教員の許可を得ること、という大学院もありました。担当の先生方とどうやってコンタクトするのかわかりませんが、事前相談期間というのが設定されていたりしますので、そのタイミングで相談をしないといけないのだと思います。

<学割>

科目履修生に学割はありません!

以上、大学院の科目履修について、いまわかっていることを書いてみました。