5+1 English 代表
竹岡 貴子
英語学習に相当の時間をかけて、TOEIC®のスコアがアップした。単語をたくさん覚えて、書く練習を何度も繰り返して、目指していた英検の級に合格した。テストに対応できるだけの英語力はついた。でも、いざ実際に英語を使う場面で、思ったほどうまくやりとりができなくて、はがゆい思いをした。そんな経験はありませんか?テストの点数アップや資格試験への合格は、学習の成果をはかる目安になります。けれども、必ずしもそれが「使える英語」としての英語力とイコールであるとは限らない。
社内公用語を英語にシフトしたいくつかの企業では、会社から与えられた英語学習のクラスに真摯に向き合う従業員を多くみてきました。ですが、「この中の何人がプログラム終了後に『英語が使えるようになった』と言えるのだろうか?」と、ずっと疑問に思ってきました。これらの企業にお勤めの方は、相当の時間を英語学習にかけていらっしゃるようです。
5+1 Englishは、こう考えます。せっかく貴重な時間とお金を英語学習にかけるのであれば、「自分が伝えたいことを自分で表現できるようになった」と、どうか実感して欲しい。
そこで、私どもは、厳選した『教材』(茅ケ崎方式)と『方法』(CLIL)をベースにしたトレーニングを提供することにしました。それが『茅ケ崎方式×CLIL』です。
そう、私たちが皆さんに身につけていただきたいと考えるのは、「使える英語」としての英語力なのです。
英語教育への関心
新卒で電気機器メーカーに就職しました。正式な配属先が決まるまでの研修期間中に新入社員全員が受験したTOEIC®で、私は895点を取得しました。それが「資格試験上位級/高得点イコール英語の達人」ではない、と私が思い始めるきっかけとなった最初の出来事です。
今でこそ「新入社員で850点は必須」とする企業も多いと聞きますが、30年以上も前の当時、895点というのは非常に珍しいことだったようで、社長表彰を受けるや否や、私のそのTOEIC®の点数は、あっという間に全社員へ公開されてしまいました。
英語を使う部署への配属など全く望んでいなかったにもかかわらず、それから私は日常的に海外とのやり取りが必要な「半導体事業部輸出課」に配属されました。当時の企業のオフィスの状況はというと、現代のように社員ひとりひとりに1台ずつパソコンが用意されているような、まずとてもそんな環境ではありません。E-mailすらまだまだ決して一般的なツールではなく、海外との通信手段といえばもっぱら"テレックスと電話"、という時代です。そうした中、直近のTOEIC®の点数だけで自分の配属先が決まってしまい、けれども実用的な英語というものをまだ知らない私は、それから毎日のように海外からかかってくる電話に怯え、そして「当然あなたは、英語は喋れるでしょう」という周りの期待にも触れることとなり、いつも憂鬱な気分で仕事をしていました。
仕事に後ろ向きだったからでしょうか。いつしか、以前アルバイトで経験した「英語を教えること」を仕事にしたいと思うようになりました。私は高校3年生の時から英語を教えるアルバイトをしていましたが、アルバイト先は主に"塾"でしたので、教えていた内容といえば文法や読解といった、いわゆる「受験英語」です。英語が苦手な生徒さんの成績がみるみるうちにあがっていくのをお手伝いできてとても充実していましたが、この頃はまだ、「英語力とは何か?」についてはあまり考えていませんでした。
憧れの英語講師に(最初の衝撃)
それから数年後、私は国内だけでなくグローバルに展開する英会話スクールの講師職に就きました。教える内容は「受験英語」から「英会話」に変わりました。そのスクールには語学研究所やTESOLに基づく確立されたメソッドがあり、そこで初めて理論に基づいた効果的な教授法を学びました。「こんな英語の教え方(学び方)があるのか」と、大変な衝撃を受けました。それまで「受験英語」を教えてきた私にとり、「教え方(学び方)次第で英語は使えるようになるのだ」ということを知る経験でした。
講師時代には、新人ながら企業派遣も経験。約2年半の講師職を経て支社の教務責任者となり、講師の採用や教材の開発、講師・営業担当者へのトレーニングにも携わり、企業や個人のお客様の契約更新率において社長賞を受賞したこともありました。
「楽しい英会話」では仕事では通用しない(2つ目の衝撃)
その後、英会話スクールは倒産。教務責任者になってからというもの、自分のティーチングスキルを磨く時間がなかったため、これも良い機会と考え、TESOLの資格取得のためにニュージーランドに短期留学をしました。
帰国後、次の職を見つけるまでの期間を1ヶ月程度と想定し、その間、私は短期の派遣契約で、ある金融機関に勤務します。ところが私が派遣されている間に、その企業はM&Aで日本資本からアメリカ資本の企業になってしまいました。たまたま少しだけ英語が理解できた私はそのまま請われて正社員となり、初めて「外資系」で働くことになりました。
入社時に受けたTOEIC®で990点を取得すると、アメリカ本社とのやり取りの多いマーケティング部門に配属されました。しかし、ここでもまたTOEIC®の点数だけが独り歩きし始めます。周囲から「英語のできる人」と誤解され、英語が関連する仕事であればその業務の難易度など関係なく、全てにかかわることになりました。さらにTESOLのCertificateを持っていたため、人事部の依頼で、その企業の役員と社員に対して私が英語を教えることになりました。日中は配属先のマーケティング部門の仕事をし、夜は社員向けの英会話クラスを担当することとなったのです。もちろん、英会話クラスについては前職の英会話スクールで企業クラスを担当していたため、経験を活かせましたし、みなさん楽しそうに学んでいただくこともできました。ですが、その頃から『はたして、このレッスンで皆さんの英語力が上がるのだろうか?』と少しずつ疑問を抱くようになりました。
というのは、この外資系企業で働いて、二つのことに気づいたのです。一つは、「そもそも自分の英語力が全く足りていない」ということです。前職で第二言語習得法に基づいた(と言われていた)教授法で高校生~80代の方に「英会話」を教え、企業クラスもいくつか担当し、生徒さんもそれなりに楽しんで学んでいらっしゃいました。自分の英語も「受験英語」から「実践英会話」に、少しでも進歩はしていたはずです。けれども「楽しい英会話」レベルの英語では、仕事で通用するはずがありません。
そしてもう一つは、「英語を使ってコミュニケートするには、英語力だけでは足らない」ということです。一緒に仕事をする仲間が国内の従業員だけでなく、世界中の仲間になりましたので、英語力自体は実践を通してすぐに上がっていきました。しかし、そんな仲間が一つの場所に集まるときにいつも感じたのは、いわゆる「おいてきぼり感」です。つまり、話題に参加できないのです。周りが話している内容はほとんど理解できるレベルにはなっても、会話に参加できない辛さと自分に対しての残念さを味わいました。英語力以外に何が足らないのか?と考えると、それは「自分の考えを持っていない」ということに気づきました。あるいは、「自分の考えを持てるほどまでの知識がない」ために、コミュニケーションがとれないわけです。
前職では企業講師を担当しましたが、まだこうした点に気づくよりも前のことでしたので、いま振り返れば当時の私は、相当ひどいレッスンをしていたのだろうと思います。TESOLの資格を取得し次第、すぐに英語の講師に戻ることを予定していましたが、この経験は、私に、英語を教えるのであれば、ただ単に英語力をあげるのではなく、真のコミュニケーション力をつけることを考えなければいけないということを教えてくれました。そしてそのためには、今はビジネスを学び、社会的スキルを上げ、自分の考えを持つために知識を広げ、コミュニケーションがとれる力をつけるときだと腹をくくり、少し英語を教えることから距離を取りました(まさかそれが20年近く続くとは想定していませんでしたが)。
「資格試験上位級/高得点イコール英語の達人」ではない(3つ目の衝撃)
さて、金融の仕事は学ぶことが多く、毎日がとても充実していましたが、いつかは英語を教える仕事をしたいと思っていましたので、英語教育のセミナーや学校の教員向けの研修にも参加し続けていました。ある時、早稲田大学の公開講座で講師をするお話をいただき、理解のある当時の上司のおかげで、週末にその公開講座で英語を教えることになりました。
その時に出会った生徒さんにこう言われました。「TOEIC®の点数が上がった。それで職場で英語の仕事を任されるようになった。でも、実際に英語で何かしようとすると自分の英語は全く使えなくて、英語が嫌いになった」。生徒さんのおっしゃっることはよく理解できました。それは、私自身が辿った道だったからです。大学の公開講座では、“英語の学び方を学ぶ”クラスを担当していました。具体的には、リスニング力をのばす方法やリーディングのスピードを上げる方法、スピーキング力をつける方法を学ぶものです。ですが、この生徒さんに先の言葉を言われて、はっとしました。そうだった。私が教えたかったのは英語力を上げるための小手先のテクニックじゃなかったはずだった・・・と。
「日本人が英語が話せないのはシャイだから」は本当か
よく「日本人はシャイだから英語が話せないのだ」と言われますが、本当にそれが理由でしょうか?確かに、間違いをしたくないという気持ちもあるとは思います。ですが、日本人が英語で発話しないのは、話題についての知識も少なく、自分の考えを持っていない、または考えを表現する方法を知らないからなのではないかと思います。
2020年の学習指導要領改訂で「思考力」がフォーカスされるようになりました。したがって、これから社会に出ていくみなさんはまた違ってくるのだろうと思いますが、特にマークセンス方式導入後の入試等を経験されてきた現役社会人の方は、たくさん思考するのとはまた違ったスキルが磨かれて、その代わりにコミュニケーションに必要な知識や、考える力、その学びを表現し、そしてそれを応用する力においては、まだ学ぶ余地がある思います。
「茅ヶ崎方式英語」との出会い
「茅ケ崎方式英語」との出会いは、今から約25年ほどになります。当時開校したばかりの大阪の教室のチラシを目にしたときです。途中、私の転勤などもあり、合計すると教室に通ったのは1年ほどですが、そこで学んだニュース英語の教材に、すっかり夢中になってしまいました。
それが私にとって「茅ケ崎方式英語」との初めての出会いだったのですが、ちょうど同じ頃、会社の研修で通訳学校に半年間通わせていただいたときに仲良くなったクラスメートのうち2人は別の茅ケ崎方式英語会の教室に通っていて、どうやら「茅ケ崎方式英語」は知る人ぞ知るメソッドなのだということがわかりました。その後、その仲間を含めて5人で勉強会を立ち上げ、茅ヶ崎方式の教材を使用した自主勉強会は、私が東京に転勤となるまで4年ほど続きました。(余談ですが、勉強会仲間の最初の2人は現在もその教室に通っています。そちらの先生からは「20世紀から通っていただいている人達ですね」と言われていますが、それほどまでに「茅ケ崎方式英語」は、本当に、飽きがこないのです。)
茅ヶ崎方式+CLILで「コミュニケーション力」を
当教室が掲げる『茅ケ崎方式×CLIL』とは、言い換えるならば『知識×思考×言語』です。
先ほど「茅ヶ崎方式は飽きがこない」と申し上げました。というのも、「茅ケ崎方式」の教材は、毎週書きおろされる国内外の最新のニュースをベースにしているのです。ニュースの内容は、事件、事故、災害、政治、経済、貿易、外交、安全保障、医療、文化、科学技術から環境と、非常に多岐にわたるもので、とにかくコンテンツが豊富であることが一つの特徴です。時事英語を(で)学ぶ教材というものは全国の書店で多く見かけますが、ニュースを扱うのであれば当然に鮮度が良いものが一番ですよね。まさに生きた英語を話題のトピックで深く学べるというのは、大人の学習者にとっては非常に魅力的で、学習のモチベーションにつながります。
また、当教室が採用している「CLILアプローチ」というのは英語の学びのアプローチの一つで、「教科(専門領域)や内容と、言語を一緒に学ぶ」というものです。CLILについて初めて知ったのは、2020年に再入学した大学で、小学校の英語の教科書にCLILアプローチでの学びが取り入れられていることを学んだときです。よく、CLILは小学生向けでしょう?と言われることがありますが、上智大学や立教大学では、全学部が語学科目をCLILで学んでいます。CLILでは専門の領域の知識を深めながら英語力もアップさせることができる、というものですが、これは、まさに「茅ケ崎方式」ですよね。さらに、CLILの重要な特徴の一つに、思考を伴う活動があげられますが、この活動があるからこそ、学んだ内容を自分の頭で深く思考して、そのプロセスを経て、自分の意見を持ち、表現できるようになると信じています。
5+1 English 代表
竹岡 貴子
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